現代と未来
ゴールデンウィークの合間に「ミャクミャク」で賑わっている大阪を訪問しました。
訪問の目的の一つは大阪・関西万博の視察でした。
夢洲で開催されている「大阪・関西万博(2025日本国際博覧会)」は、ゴールデンウィーク中でも平日だったこともあり比較的ゆったりと楽しめました。

海外旅行やインターネットも普及した現代における万博の価値や意味を疑問視する声もあり、正直を申し上げると自分自身もあまり期待はしていませんでした(パビリオンの確認は前日の深夜…)。
しかしながら、実際に訪れてみると55年前の「大阪万博」のスケール感を彷彿とさせるようなパビリオン群と世界観でした。
(正確には私はまだ生まれていなかったのですが、業務等で大阪万博に触れる機会があり、不思議とデジャビュな体験を味わいました。)
また、フランスやインドネシアなど過去に何度か訪れたことのある国のパビリオンでも新しい感動や気付きが得られました。
1985年の「つくば科学万博」では“最先端”だった大型ビジョンばかりのパビリオンに(幼少期だったこともあり)がっかりした記憶がありますが、今回の万博では巨大なLEDパネルも各所で採用されており、国内外の高照度プロジェクターとの共演も見応えがありました。

過去と現在
今回は1970年に開催された「大阪万博(1970年 日本万国博覧会)」の跡地に設置された万博記念公園も訪れました。
こちらの公園には何度か来たことがありますが、岡本太郎の「太陽の塔」も(生体)保存されており、少ないながらもパビリオンやイサム・ノグチの作品の一部が残されています。

新聞などでも報じられていますが、間違えて万博記念公園に来てしまう方(外国人だけでなく日本人も!)もいらっしゃるそうなのでご注意ください。
未来のデザイン
大阪万博(1号万博)のテーマは「人類の進歩と調和」でした。
岡本太郎が相反する「進歩」と「調和」への異論を呈しながら依頼に反して大屋根を突き抜けた「太陽を塔」を作り上げる一方で、多くの日本人(入場者数の6,421万人は当時の人口の61%に相当!)が大阪万博を訪れて“明るい未来”を体験しました。
今回の大阪・関西万博(2号万博)のテーマは、新型コロナウイルス感染症が発生する前でしたが、偶然にも生命の大切さを示唆するような「いのち輝く未来社会のデザイン」でした。
人口増加と先進国の模倣で日本の高度経済成長を遂げることができたとする単純化した論説もありますが、“明るい未来”を信じることの重要性は今も昔も変わらないものだと思います。
グローバル化した社会構造においてニーズと価値観が多様化した現代だからこそ既成の思考の枠(パラダイム)を突き抜けるような「万博」が必要なのかもしれません。
なお、大阪メトロが3月末に導入した「顔認証改札」のゲートは、設置されている駅もごく一部に限られていることもあり“顔パス”で利用する人はあまり見られませんでした。

ポジティブに挑戦を続ける大阪が、未来の日本を牽引するような元気なまちになると良いですね。
大阪・関西万博は10月13日までの開催なので、再び訪れたいと思います。