2010年12月11日

新商品などの案内をメーカーさんから頂いてビッグサイトのエコプロダクツ展へ。例年通り、玉石混交の展示会ですがいろいろな団体が“PR”しています。

一番印象的だった商品はこれ。

普通の木片のように見えますが、オランダのタイタンウッド社が製造して広島の木材輸入会社池上産業さんが販売を始めたアセチル化木材「アコヤ」です。

通常屋外で木を使用する場合には紫外線や腐朽菌による経年変化を極力少なくするためにブラジルのイペ材や東南アジア産のウリン材などのハードウッドを使用しています。(海辺のデッキやカフェテラスなどで見ることが出来ます。)

しかしながら、原産地で環境に配慮して製造されているかどうかはSFCなどの国際認証もないので判断ができません。

その上、為替による価格の変動や国際的な資源獲得競争もあり、輸入する“外材”を取り扱うリスクは少なからずありました。

このアコヤの凄いところは比較的成長の早いラジアータパイン材を使って環境負荷の低い製法で耐候性の高い木材に高質化している点と、世界的な建築家件デザイナーであるWilliamMcDonoughさん等が提唱している”ゆりかごからゆりかごまで(Cradle to Cradle) ”のゴールド認定を受けているところです。

生産国のオランダでは環境負荷が高く、腐食のある鉄の代わりに試験的に陸橋に用いられました。中国でも一歩先に建築物の外装等でも使われ始めたようです。

現時点では資材として輸入をするしかありませんが、スギやヒノキが山で眠っていることを考えると国内で安定生産されるようになれば日本の建物の“外壁”にも使えるようになります。

タイタンウッドのホームページに掲載されているスライドショーの最後の写真が示す通り、日本は木材を身近に上手に使ってきました。もう一度環境負荷と国内産業の自立(循環型の地域経済)を考慮して商品を設計し直す段階に我々は来ています。

大きな可能性を秘めた商品ですが、この類いは以前大手建材メーカーさんでも扱ったことがあり、コスト面で流通に乗らなかったという過去からもあるようですので、外材に負ける国産材が抱える課題と一緒に取り組む必要がありそうですね。

こんなことを考えながら会場を足早に歩いていると、どこかで耳にしたことのある声が・・・。

声の主はリンゴ生産者の 木村秋則さんでした。苦労をされて究極の自然農法にたどり着いた師のお話しは心に染み渡りました。