2022年1月1日

ウィズコロナ時代の本格到来

アメリカやイギリスを中心に新型の変異株(オミクロン株)の出現で感染が再び拡大している一方で、死亡者の急激な増加については韓国などの一部の国に限られているという報道があります。残念ながら感染力は強いものの重篤化するリスクの低いウィルスだと安易な判断ができない状況が続いていることは確かです。

既に1年ほど前にはアメリカのCDC(疾病対策センター)がアメリカ国内の平均余命が1.5歳短縮し、人種によっても大きな差があったという報道をして世界中が注目しました。

地球温暖化の概念が提唱されるよりも前の1962年にはレイチェル・カーソンが『沈黙の春』を出版し、環境問題の重大さは声高に叫ばれていました。資本主義のもとで繁栄しすぎた人類はいずれは地球からの「しっぺ返し」としての感染症の拡大で大幅にその数を減少させるだろうという悲観的な意見も25年以上前からありました。

日本国内でも3回目のワクチン接種が進められつつありますが、アフリカなどの発展途上国はワクチンの接種が進んでいない状況にあり、新型コロナウイルス感染症は地球上の格差や不公平、社会的包摂という課題を炙り出したという論調も出ています。

第4次産業革命でAIを開発した人類が一層便利に快適に生き続けられるという楽観的な予測は全く役に立たず、足元の生命としての持続可能性(サステナビリティ)がそもそも不安定だったという教訓を得たのが不幸中の幸いだったのかもしれません。

いずれにしても、新型コロナウイルスの変異はこれからも継続する可能性が高く、2022年中に終息(完全に撲滅)する可能性は全く不透明であり、良くても収束(一定程度に収まる)してウイルスと共存する社会になるという予想の方が現実的なのかもしれません。

感染症対策やサプライチェーンの分断による製造停止などの事例を見ても、これまでの過去の成功事例が通用しない時代、予測困難なVUCAな時代です。そのような変化の中でグローバル化からの反動(反省)から過度なリージョナル化(地域化、リージョナリゼーション)が進行する可能性もあります。

また、従来のようなPDCAサイクルの計画(P)を入念に行うよりも、短時間に課題分析と洞察、意思決定までを一気通貫で行い小規模な実行(D)をすることから始めることが求められる時代とも言われています。

グリーンイノベーション

今年の方針

これまでに新型コロナ関連についても新聞やテレビからの取材等への協力要請に積極的に応じて参りました。

昨年は防災対策の一環として森林の感染症(ナラ枯れ)への対策にも取り組み、一定の成果が得ることができました。また、コロナ禍の長期化で外出や運動が疎かになる中で、免疫を高めるための健康増進プログラムの開発から実装にも挑戦しました。

3密を避けることができるということで公園などの屋外の公共空間にも注目が高まりつつあり、健康を維持・向上させるための社会資本の重要性についても明らかな意識の変化が見られます。

今年も生物の多様性の保全を基礎として様々なコミュニティのステークホルダーと連携しながらクリエイティブ(デザイン)という手法でイノベーションを創出し、自然災害の防止・抑制から地域と人の健幸づくり(well-being)に貢献して地域と社会を豊かにする1年にしたいと考えます。

結果に貢献できる業務に集中するために全てのご要望にお応えすることが叶わず心苦しい思いもございますが、今年も一所懸命に努めたいと存じます。

つきましては、本年もご愛顧をよろしくお願い申し上げます。