県境を越える移動の自粛要請が解除されたことにより、電車や車での移動が増えて国内の観光地への人出も戻りつつあるという明るいニュースも報じられています。
一方で、今日1日の新たな感染者数は全国で45人(そのうち東京都は29人)が確認されており、「収束」しつつあるものの「終息」には至っていないという状況にあります。
ジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター(CSSE)が公開している昨日までの5ヶ月間のデータから大陸毎に感染している人の数(現感染者数)の推移をグラフ化しました。
ヨーロッパ大陸では感染が収束しつつありますが、そのほかの大陸では未だに増加傾向が見られます。
日本国内の感染者数や死亡者数の少ない理由が判明しない状況ですが、最近の報道では緊急事態宣言が発令された4月7日よりも前の4月1日頃が「第1波」の感染のピークだった可能性が高いとも報じられています。
多くの国々が実施のような罰則を伴う強制力のあるロックダウン(都市封鎖)は免れたものの、緊急事態宣言は経済への影響が大きく特に飲食店や宿泊施設に大打撃を与えました。
「第1波」の教訓から、高い確率で発生することが予想されている「第2波」に備えて具体的な策を講じておく必要があり、政府の専門家会議以外でも様々な意見や提案が出てきています。
その中で特に異彩を放っていて印象的だったのが、今月の初めに出された日本総研の枩村秀樹氏の時論で感染者数よりも死亡者数に注目することで緊急事態宣言は避けることも可能だという内容です。
単純に死亡者数だけを大陸毎に集計してグラフにすると下図のような傾向が見られます。
図1の感染している人の数と同じような推移が見られますが、ヨーロッパ大陸の死者数は相対的に多く、ブラジルを含む南アメリカ大陸は特に増加傾向が強く見られます。
さらに死亡者数がどれくらいの割合なのかを比較するため、それぞれの大陸における死亡者数を人口100万人あたりに換算すると下図のようになります。
感染と拡大が最初に確認された中国(赤)、日本を含むその他のアジア諸国(橙色)、アフリカ(灰色)及びオセアニア(黒)の人たちはヨーロッパや南北アメリカよりも比較的死亡する確率が低いという結果となります。
ただし、感染しても大丈夫と油断するのはたいへん危険です。特に喫煙者や高齢者、持病のある方は重症化する確率が高いようなので気を付けましょう。