今朝の段階で米国のジョンズ・ホプキンス大学の統計によると今般の新型コロナウイルス(COVID-19)による感染者数は72万人以上、死者数は33,958人となっており、未だ収束の兆しが見られません。

国内でも日常生活においてウイルスの感染防止のために手洗いやマスク着用、不要不急な外出を控えるなどの行動が求められています。

CODIV-19の感染拡大よりも前から持続可能な社会の実現が大きなテーマとなっていましたが、今回の感染拡大によってこれまで個別最適を目指して扱ってきた環境や経済、食料等の課題が一気に溢れ出てきたような気がします。

CODID-19はベクター媒介性疾患(VBDs)の一種で下図の内側のような宿主、媒介者(ベクター)、病原体の相互作用によって存在しています。今回は違法に取引されていた哺乳類の一種のセンザンコウが媒介者の可能性が高いとされています。

ウイルスによる感染症を研究しているプロジェクト(Global Virome Project)によると、地球上にいる哺乳類や鳥類の中に130億を超える種類の未知のウイルスがいると見積もられています。

今回のウイルス感染症の地球規模での蔓延から人類が学ぶべき教訓は何かと問われたときに想起したのが以下のダイアグラムになります。

COVID-19の蔓延でも明らかになった人類と地球との関係性

気候変動によって旱魃や洪水、森林火災が直接的に被害が発生しており、生物の多様性や人間の健康にも間接的に大きな影響を及ぼしつつあります。

人類はあくまで自然の一部であるということを忘れて、地球環境への負荷や生物の多様性を無視して農業や開発を行ったきた結果(しっぺ返し)だとも言えるかもしれません。

人新世(Anthropocene)というキーワードが地質学会の枠を越えて社会でも話題になっているように、地球に対してあまりにも大きな影響力を持ってしまった人類は生活様式をもう一度考え直すことが重要です。

感染症対策を理由として近視眼的に農薬や殺虫剤の普及を求める風潮が生まれてしまうかもしれませんが、野生生物や微生物を過度に警戒して駆除する行為は人類を含めた生物の多様性を破壊することになるので避ける必要があります。

国内においては高齢人口の増加により健康寿命の延伸が大きなテーマとなっており、医療による従来の治療と並行して健康増進が求められるようになりました。

公園などの公共施設、街中における質の高いウォーキングやランニング等を促す仕組みづくりに関する業務も増えてきました。この潮流は国内だけでなく、ヨーロッパ各国でも社会の全体としての大きな流れとなりつつあります。

猛威を奮っているCOVID-19の収束後には、行動変容を伴って従来とは異なる新しい社会通念(Getting to a new normal)が拡がることが予想されていますが、人類の英知を結集して持続可能な地球環境への取り組みを一歩一歩続けて参りましょう。弊社もご協力します。

そのためにも、まずは身近な感染拡大の防止のため落ち着いた行動をしましょう。

インドネシアのマーケットで売られていたコウモリ