「第3波」が押し寄せようとしている日本列島ですが、今朝の東京新聞の裏表紙にホンワカとした色鮮やかな記事がありました。
製薬大手のエーザイさんが運営する博物館の学芸員の方と、埼玉県立嵐山史跡の博物館の研究員の方のコメントに挟まれて、拙者がお受けした取材の内容も紹介されています(お恥ずかしながら写真付き)。
インターネットが普及して情報の量が爆発的に増えた今でも、メディアとしての絵やアニメが人の心を和ませる大きな役割を担っています(映画「鬼滅の刃」も大ヒット)。
江戸時代では尚更、はしかという感染症の不安の最中に錦絵のように楽しめる「はしか絵」が流行したのもうなづけます。
記事の中で紹介されている、タラヨウに書いたまじない歌は過去のブログで紹介しています。
今回の取材当日はライターを持っていなかったので記者さんにご紹介できなかったのですが、タラヨウは熱を加えると不思議なリング(輪)が表や裏に浮かび上がります。
「はしか絵」の一部には線香で穴を開けるように書いているものもあります。
この不思議なリングはタラヨウが属するモチノキの仲間以外でも起こる現象ですが、この謎は、旨味を解明した科学者池田菊苗や戦前の物理学者の大御所寺田寅彦をも惹きつけました。
お二人は文豪の夏目漱石がイギリスに留学していた頃に現地を訪れて交流を深め、この謎についても興味を抱いたようです。寺田寅彦は「自然界の縞模様」と題して書物にしています。
世界中の累計陽性者数が5,500万人を超え、ワクチンの開発を世界中が注目していますが、科学が発達しても自然は未だ謎ばかりです。
かなり長引く可能性が指摘される感染症に心穏やかに折り合いながら、日々の感染予防に努めましょう。